インタビュー紹介

【ベストフレンド伊勢店】鈴木 圭佑

サービス業2015年04月21日

タイトル

独立を目指し、実家の稼業の店長に始まり、営業職やデザイナーと様々な仕事を経験して、今の買取のお店をオープンさせた鈴木さんにお話を聞きました。「街の買取屋さん」を目指す中で、どのような力が求められるのでしょうか。そして、これからの目標について話していただきました。


 

今まで捨てるしかなかった物に値段がつくようになる

 

—— ベストフレンド伊勢店を始めるまでの経緯を教えてください

実家がコンビニを経営していたため、高校を卒業してから7年程、店長を務めていました。そのまま稼業を継ぐとは思っていなかったので飛び出し、医療関係のサラリーマンも経験したりしました。その後、広告制作の仕事に就きたいと思い、Illustrator・Photoshopなどを勉強して、全国の求人情報誌を発行している会社の名古屋支部に制作として入りました。でもリーマンショックなどの煽りで掲載の求人情報は激減、大量リストラの憂き目に遭い、仕事がなくなってしまったんです。どうしようかと思っていたところ、昔から遊びに来ていた志摩市に持ち家があったので、そこまで手を広げて住んでしまおう!と仕事を探し始めました。幸いにも同じ職種を募集している、三重のタウン情報誌を発行している会社があったので、そこでまた広告制作の仕事をやっていました。

元々、広告制作の仕事を目指したのも、フリーランスという独立の道があったから。実家が商売をしていたので昔から自然と「独立しよう!」と思っていました。でもフリーランスのデザイナーは地方ではさらに厳しいと思い、そんなときに知人から声を掛けられ、この店をオープンさせました。

 

—— オープンされたのはいつですか?

店のオープンが2年前の4月17日なので、もう丸二年です。広告制作の仕事を辞めた後に、開業資金を貯めるため、1年くらい工場で肉体労働も経験しました。

 

—— 伊勢にしようと思った決め手はあるんですか?

名古屋も考えたのですが、土地柄などを考えた時に伊勢に決めました。名古屋は競合が多いということ、そして志摩に住んでから、地方の方が隙間はあるというのは感じていました。伊勢は歴史のある場所ですし、お買取りが出来る古いものが眠っているんじゃないかという思いがあったからです。もちろん買取の先輩に相談したりもした結果です。物件の都合もあります。それなら伊勢に決めようということでした。今は志摩から45~50分くらいかけて通っています。名古屋で満員電車に揺られていることを考えると、それほど苦になりません。

 

—— 買取ショップを知らない人のために簡単な流れを教えてください

まずはお店に来てもらって、その物を手に入れられた経緯など、楽しくお喋りしながらお聞きます。リサイクルショップや質屋さんは金額を提示するだけだと思いますが、お品物に対しての思い入れなどをしっかりと聞き、現在の市場価値をきちんとお話します。不用品だから安く買うのではなく、市場相場をご説明して、金額をそれに準じて出すということを心がけています。

たいていの物は大丈夫ですが、査定が難しい古美術品などはお時間頂く場合もあります。他店と横の繋がりは強固なので、リアルタイムで画像を送ったりして情報交換も行います。色んな骨董市にも行っているので、知識はそのような現場で勉強したりしています。月に1回、他店舗オーナーと集まって問題点を共有し合ったり、これからの方向性について話し合っています。

 

—— どんなところにやりがいを感じていますか?

物を増やすよりも、物を減らす時代になっているので、今まで捨てるしかなかった物に値段がつくようになるということです。それで、「ありがとう」と言ってもらえると嬉しいですね。おそらく20年、30年と眠っていたであろうものを、私たちが次に繋いでいくことができる。眠っていたものでも、大事に使ってもらえるようになればいいですね。売ってくれる人もありがとう、買取る私たちもありがとう、次に使ってくれる人もありがとう、という形が一番です。使われなくなった物を、もう一度循環させていくということですね。

 

—— 利用される人は、どの年代の方が多いですか?

50代、60代が多いですね。戦後生まれの方達は、物を捨てられない世代です。物が手に入らなかった時代だから仕方ないですよね。団塊の世代はバブルを経験しているので、良い物を持っていたという気持ちがある。我々の世代は物に対する執着が無くなっている。時代の流れによって、物の価値観が全然違います。

 

—— それでは、大変だと感じることはどんなところですか?

物に対する思い入れが強すぎると、ご納得してもらえないこともあります。きちんと説明しても、うまく伝わらないということです。例えば、バブル時代を経験した人達は、大きな金額を出して物を買っていますが、現在では値打ちが無い物も多いです。そこで物の価値にズレが生じますよね。説明しても、そのような誤解を生んだままだと、こちらも辛いです。

 

—— そうなんですね。どんなきっかけでベストフレンド伊勢店を利用する人が多いんでしょうか

現在、断捨離という言葉はもうかなり浸透していますよね。2年前にオープンした時はまだ伊勢では浸透していない印象でした。でも、最近では都市部だけでなく地方の方もすんなり受け入れている気がします。断捨離とは、前時代なら物を持つことがステータスでしたが、自分に本当に必要な物を選別し、不要な物を手放して心をスッキリさせる、ということです。家を片づけて、家だけでなく心にもスペースをつくらないといけない。心のスペースがないと次の新しいことも入れられないですよね。

元々自分は物欲がなくて、必要最低限のものしか持っていないので、断捨離はとても共感できました。理念としては、ずっと同じことをしていた感覚です。お客様に「うちはリサイクルショップさんと質屋さんのあいのこのお店なんです」と説明することがあります。不要品だからではなく、物の価値をお伝えして、しかるべき金額をご提示するということです。お片付けのお手伝いをさせてほしいという思いから、出張買取といったこともしています。

 

サブ

 

「町の買取屋さん」になることを目指しています

 

—— どのようなお店を目指していきたいですか

2年経って、「町の買取屋さん」に近づいてきている感覚はあります。お片付けで何かわからない物が出てきたら「ベストフレンドさんに聞けばいい」と言ってもらえるようになりつつあります。「ここにあったんだね」と言われることも増えてきました。街の大きさ的にも、伊勢だったらそのような町の買取屋さんになれるんじゃないかなと思っています。今後はもっともっと口コミを増やしていきたいです。

 

—— お店を増やしていくということも考えているんですか

二店舗目は考えています。でも人の確保が一番難しいです。買取という仕事は特殊ですし、色んな話を聞いてお客様に満足の価値を与えるというのは、誰でも出来るわけではありません。満足を金額だけで埋めようと思っている人は絶対に上手くいきません。その理念を共有できる人がいれば、ですね。今は業務のサポートをしてくれている人はいるので、大分楽になりました。

 

—— どのように知識をつけていくのですか

私は、先にオープンしていたベストフレンド各店でみっちりと修行しました。蓄えた商品知識とデータベースなどもフル活用して、お客様にお値段を提示します。お客様も知識のある人じゃないと信頼して売ってくれません。

 

—— これからどのような力が求められてくると思いますか

今、第4次産業は何なのかと言われていて、それはお客様の満足を埋めるということじゃないかと思っています。例えば、第一次産業はコーヒーの木を育てる、第二次産業はコーヒー豆に加工する、第三次産業はコーヒーとして商品を提供する。ただコーヒーを提供するだけのサービスなら、機械に取って代わられる仕事になってしまいます。例えばコーヒーを提供すると同時に、今日の服装をさりげなく褒められたら、そこにお金じゃない付加価値が付いてきます。それは機械には出来ないこと。サービス業のさらに先の形です。でもそれは相手の気持ちを先回りするような、シビアなセンスが非常に求められます。誰でも出来ることではありません。厳しいですが、その努力が出来ないと、これからのビジネスシーンでは淘汰されていく、と思っています。

努力はやって当たり前の大前提です。努力をしていればどんな人にも運は舞い込んできます。でも、そこで運をチャンスと捉えられるか。日頃から勉強をしてアンテナを磨いておかないと、気づかずに通り過ぎてしまいます。さらにチャンスと捉えても、乗れる度胸があるか。その3つをクリアして初めて大きなビジネスの舞台に立てるものです。

 

—— 最後に今後の目標を聞かせてください

先ほども言いましたが、「町の買取屋さん」になることを目指しています。伊勢の人は、一度認めてくれると、何度も通ってくれる人が多いです。物に対する正しい知識、市場相場を持っているので、物を持って気軽にお話に来て欲しいですね。片付けのお手伝いができるので、これは捨てちゃおう、これは売っちゃおうとお伝えすることができます。日本には良い物がたくさん眠っているので、巡り巡って使ってくれる誰かへ、今後も橋渡しをしていきます。売ったお金で旅行でも行ってもらって、またモノを使ってもらえることで嬉しいという形を作りたいです。

 

—— 個人的にはどうですか

本当のことを言うと、長期の世界旅行に行きたいです。そのためにはまず買取スタッフの確保ですね。これから、途上国の人のメンタリティは見習わないといけないと思います。先進国の知恵と途上国のメンタリティを組み合わせて持っていくことが、働くために必要かなと思っています。

 

 

ベストフレンド伊勢店
三重県伊勢市御薗町長屋702
0596-65-6815
AM10:00~PM6:00
毎週水曜定休

 

 

 

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