インタビュー紹介

【パティスリー・ラ・リシュテール】北川 裕土

求人募集企業2015年05月06日

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奈良県吉野町生まれの北川さんは、ホテルオークラ神戸やタラサ志摩ホテル&リゾートでの修行を経て、2012年に念願のパティスリー・ ラ・リシュテールをOPENさせました。看板メニューとなっている「あおさパン」はどのように誕生したのでしょうか。ケーキづくりの魅力から、今抱えている課題、これからの目標についてお聞きしました。


 

 

あおさパンの誕生は、賄いの味噌汁からだった

 

—— まず、今までの経歴を教えてください

最初に働いたのは、神戸のアンリ・シャルパンティエという洋菓子店でした。神戸や京都でパティシエとして働き、技術はもちろん、この仕事に対する心構えなどを身に付けてきました。様々な経験を経て、1992年にタラサ志摩ホテル&リゾートに勤務することになり、伊勢に来ました。途中、タラサ志摩を離れ、鈴鹿や岐阜でも2年半余り働きましたが運命のいたずらで伊勢に戻りました。

 

—— ご出身はどちらですか?

出身は奈良県吉野町です。田舎ですが緑豊かで、春になると吉野山全体が桜色に染まる美しいところです。高校卒業後、東京の大学に進学しました。東京にはおしゃれな洋菓子店が並び、そこにたくさんの人々が集まるのを見て憧れていました。食べるのも好きだし、自分も洋菓子を作るようになりたいと決心し、両親の反対もありましたが大学を中退して、兵庫県の尼崎にある育成調理師専門学校に入りなおしました。そして、様々な経験を積んで、ラ・リシュテールをオープンしたのは、2012年の2月です。

 

—— 自分の店を持つというのは決めていたんですか?

パティシエならいつか自分の店を持ちたいと思うように、自分自身もタラサ志摩で働いている頃から決めていました。タラサ志摩では、レストランのデザートやパン、ウェディングケーキなどを提供していました。スタッフの問題もあって、なかなか実現しなかったのですが、いよいよということで独立を決心しました。店を出す場所は、長年働いていて伊勢の魅力を感じていたので伊勢と決めていました。

 

—— 北川さんにとって伊勢の良さはどこだと感じていますか?

やっぱり伊勢神宮があるというのは大きいですね。自然も豊かですし、趣味のサーフィンが出来る海が近いのは最高ですね。都会過ぎず、慌ただしくないゆったりとした感じが自分に合っているのだと思っています。また、海・山・川が近いことから、食材も特徴があるものが多いです。面白い食材を紹介してくださるので、とても感謝しています。そういう人の温かみも心地良いですね。

 

—— 食材にこだわりはありますか?

はい、食材だけには手を抜きたくはないですね。大量生産の時代で、価格競争も厳しい。価格を安く抑えるならバターの代わりにマーガリンを使えば安く出来ますが、風味や、味が全然違う。そこは価格の問題があっても職人として妥協は出来ません。あと、洋菓子の基本となる卵は、南伊勢町の卵を使用しています。苺も小俣の生産者から直接仕入れていますし、ブルーベリーや伊勢茶は度会町産のものを使用しています。できるだけ地元の食材を使いたいと思っています。伊勢茶は、ケーキ、パウンドケーキなど生地に混ぜ込んで使用しています。香りがよく、味わい深いケーキに仕上がります。ブルーベリーは、初夏にブルーベリータルトとして使っています。
また、ニュージーランドでしか採れない「マヌカハニー」という蜂蜜があるのですが、それもマヌカハニーに惚れ込んだ方に勧められてお菓子にしました。色々面白い食材を紹介していただけるのでとても面白いです。

 

—— 人気の「あおさパン」もそのように生まれたのですか?

「あおさパン」はタラサ志摩にいたときに考案した商品です。当時の総料理長に「タラサ志摩らしい商品をつくれないか」と相談されて考え始めました。そんな時、賄いで味噌汁にあおさが入っているのを食べて、これはパンに使えるかもということで思いついたのがキッカケでした。僕は、奈良県出身なのであおさ自体知りませんでした。地元の方ですと、あおさ=味噌汁の具というイメージが強いですが、奈良県出身の僕にはその先入観がなかった。それが逆に良かったのだと思います。試しに料理と一緒に出していたら評判が良かったので、それから出し続けています。あおさパンは温めて、オリーブオイルに塩・コショウをつけてシンプルに食べるのがオススメです。

当店では、ランチであおさパンのサンドイッチプレートも提供しています。今では、少しずつ認知されてきて、他府県から足を運んでくれる人も増えてきました。昔の話になりますが、1994年にはコンクールで優秀賞を受賞しました。あおさパンと共に自分自身も成長してきました。

 

サブ

 

 

ここのケーキが好きという人や自分でケーキをつくってみたいという人と働きたい

 

—— 今抱えている課題はスタッフの補充ですか?

スタッフの問題は大きいですね。3年経って落ち着いてきた部分はありますが、採用してもなかなか続かない場合もあります。スタッフが揃わないと自分のやりたいことが形にできないですし、教育もしなければいけません。パティシエ自体の数が少ないので仕方ないところはあります。でも、ケーキ屋で働きたいと言っても、憧れの部分が強かったりします。パティシエの仕事は華やかに見えるかもしれませんが、実際は違います。パティシエになりたいというのとケーキ屋で働きたいというのは、ちょっと違いますよね。それがミスマッチに繋がっているかもしれません。

 

—— どんな人と一緒に働きたいというのはありますか?

リシュテールのケーキが好きで、ケーキ作りに対して情熱があるスタッフと働きたいです。価値観を共有できる、前向きな方と仕事がしたいです。お互い刺激し合いながら、さらに上を目指していきたいですね。

 

—— 北川さんにとってケーキの魅力とは何ですか?

充足感を与えるひとつだと考えています。ケーキを食べて不幸を感じる方よりも、幸せを感じる方の方が多いと思うのです。その幸せのために日々ケーキと向き合っています。洋菓子が持つ、人を幸せにする力に魅せられて20年が過ぎようとしています。人を笑顔にする魔法のアイテムだと思っています。

 

—— OPENしてから苦労したことはどんなことですか?

苦労ばっかりですね(笑)この場所は市街から離れているので、集客するのは難しいですね。冬はイベント続きでそれなりにお客様がいらっしゃいますが、夏場はケーキが敬遠されてしまいます。そこをどうやって維持していくのかは、3年やってきた中での課題です。去年は、パフェを始めました。パフェの宣伝は、SNSを活用したり、WEBの媒体に投稿したら結構反応がありました。パフェは通年での販売ではないですが、今年は早めから始めています。季節の影響が大きいので、夏場向けのメニューを考えたりしています。日々、試行錯誤の連続です。

 

—— これからこんなお店にしたいという目標を聞かせてください

今もイートインスペースはありますが、中で寛いでもらえる空間をつくりたいというのは、最初から考えていました。今後は、もう少し大きいところに移転したいという思いがあります。自分が本当にやりたいのは、複合的な店で、料理を出したり、パンやケーキもあるという形です。夢は大きく持っています。

もう一つは、「あおさパン」など商品を地元だけじゃなく、全国に広めていきたいと思っています。自分が考えて出した商品を、たくさんのお客様に召し上がって頂いて喜んでもらえると嬉しいですね。

 

 

パティスリー・ラ・リシュテール
三重県伊勢市旭町75-2M’sビル
TEL (0596)26-1888
営業 10:00~19:00
定休日 月1回月曜日&毎週火曜日
WEBサイト

 

 

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