インタビュー紹介

【伊勢のゲストハウス 風見荘】丸井 寛道

ゲストハウス2015年06月02日

タイトル

4年半前にゲストハウス風見荘をオープンさせた丸井さんにお話を聞きました。 JAPAN BACKPACKERS LINK AWARDで大賞を連続受賞し、もはやその名は全国区になりました。風見荘はすべて自分達でリフォームをし、今もずっと改装を続けながら、訪れるたびに姿を変えています。満足しない性格であり、日々変化を求めているという丸井さんにゲストハウス経営の醍醐味を話してもらいました。


何ができるかと考えても見つからなくて、逆に何がやりたくないんだろうという考え方に変えた

 

—— ゲストハウスをつくるまでの経緯を教えて頂けますか

OPENしてから約4年半が経ちました。ゲストハウスを始めるきっかけは、簡単に言うと脱サラです。人の下では働きたくないなと思っていたので、自分に何ができるかなと考え始めて、旅と音楽が好きだったのでゲストハウスかなという感じでした。元々バンドをしていて、音楽のツアーで日本を旅することが多かったのですが、1年に1回くらい10日間くらい海外に行ったりしていました。

自分には得意なことが全然なくて、何ができるかと考えても見つかんなくて、逆に何がやりたくないんだろうという消去法で考えてみました。で、ゲストハウス経営にたどり着いたんです。

 

—— OPENまではどれくらい準備をしたのですか?

OPENまでの準備期間は半年間でした。仕事をしながらも準備を始めていました。今は4階まで開放しているんですが、とりあえず2階までを半年で泊まれる状態にしてOPENさせました。OPENしながら3階、4階を作り続けていったという感じです。今でもずっと改装を続けています。内装にある木は、台風が去った後に川から拾ってきました。自然にあるものだけで作るのが好きで、そこはこだわっています。

 

—— OPENする前に色んなゲストハウスは回っていたんですか?

当時は沖縄の月光荘というゲストハウスしか知らなかったんです。ゲストハウスすると決めてからは色んなお宿さんに泊まったりもしました。

 

—— このあたりでは珍しい佇まいですが、風見荘のコンセプトがあれば教えてください

旅と音楽が好きなので、それはベースにありますが、基本的にコンセプトは特にありません。コンセプトがあまり好きじゃなくて、結果としてついてくるものなんかな思っています。ただ、空気感や「味」にはこだわっています。お金をかけずにどこまでやれるかとか・・・。材料を使わずに土に還るものだけでつくっていくとか。後は、どれだけの人を身内として巻き込んでいけるか。

 

—— オーナーとしての1日の仕事の流れを教えてください

午前か午後のどちらかは子守をして、どちらかは仕事をしています。最近引っ越したばかりなので、今はそちらが忙しいですね。今住んでる家は電気、水道、ガスを引いておらず、太陽光発電や井戸水などの自然エネルギーで生活しています。たまにお風呂用に薪割りしたり。ストーブも薪を使っているので、冬はストックがたくさん必要なので準備が大変です。夜は基本的に風見荘にいます。空いた時間にギターを弾いたりというのが1日の流れです。スタッフのおかげもあって、オーナーらしからぬ生活をしています(笑)

 

—— JAPAN BACKPACKERS LINK AWARDで大賞を受賞されましたよね

そうですね。3年前と2年前に受賞することができました。影響としてはすごい大きかったです。最近は、Lonely Planetという海外の本に紹介してもらって、それから外国の方が爆発的に増えました。日によっては9割を超える時もありますね。

 

—— OPENからとても順調に思えますが、苦労したことはありますか?

いや~ほんとに大変ですよ(笑)トラブル対策や壊れた備品の修繕など、気が休まったことは一回もないです。それに加えて全然満足しない性格なので、気になるところはどんどん出てきます。

 

—— OPENから変化を続けているんですね。ご自身の心境の変化はありますか?

自分の心境もどんどん変わっています。最近では友人の影響で、土いじりが好きになりました。畑や田んぼから学べることがとても多くて、どうやったらそれとリンクしていけるかを考えています。今は、自分に必要のないものをどんどん取り除いていきたいと思っています。昔は自分に必要なものは何かってことを考えていたんですが、今は自分に必要ないものは何だろうという生き方に変わりました。

 

風見荘

 

風見荘の特徴は、旅人じゃない人を旅人にすることができるということ

 

—— 旅と音楽は今も続けていますか?

旅は以前と比べると数は減りましたが、今もたま~にしています。来月は北海道を一周する予定です。

音楽はしばらく宿の方が忙しくて出来ていなかったんですが、最近また活動できるようになりました。お店やライブハウスでたまにライブをしています。風見荘でもアーティストを呼んで音楽イベントをしています。不定期ですが月で6本くらいはやっています。ライブさせてくれって言う人が多くて、断る理由もないので「じゃあやろう」と。宿泊ではなくても、遊びにくるだけの人もいますよ。

※HPにイベント情報があります

 

—— どんな音楽をされているんですか?

環境音楽のような音楽をギター1本でやるという感じです。たまにロングセットで2時間くらいやったりもします。

 

—— ゲストハウスをやっていて感じるやりがいって何ですか?

ここを起点としてお客さん同士が繋がっていくことですね。風見荘で友達ができたとか、実はここで知り合って結婚した人もいて、それはすごい嬉しいです。ここで知り合った人が東京で再会したという話を聞くとすごい嬉しいし、一番のやりがいです。リピーターさんもどんどん増えて、「おかえり!」という感じで良いですね。

 

—— 確かにそれはゲストハウスの醍醐味ですよね。気になる他のゲストハウスってありますか?

岡山のKAMP(キャンプ)さんと山梨の空穂宿(くぼじゅく)さんは、めちゃくちゃ行ってみたいです。後は、風見荘でスタッフをしていた女の子が出雲でゲストハウスをOPENさせたので、そこも遊びにいきたいですね。

出雲ゲストハウス いとあん

ゲストハウスって旅の中継地点で、ゲストハウスからゲストハウスへ移動する人が多いんです。伊勢に来る人は伊勢神宮、二見、鳥羽、志摩あたりを観光して、それから名古屋や奈良、和歌山へ移動していく旅人が大半です。なので三重周辺にもっともっとゲストハウスが出来たら素敵ですね。

 

—— 旅の中継地点ということですが、出会いで大切にしていることはありますか?

ゲストハウス同士で言えば、フライヤーを交換し合ったり、直接ご挨拶に伺ったり、繋がりを大事にしていきたいと思っています。お客さんとの出会いで言えば、風見荘の一番の特徴は、旅人じゃない人を旅人にすることができるということかな。ここでは職業や年齢、国境も関係なく色んな人が繋がっていく。こんな世界があるんだよということを、バックパッカーではないお客さんにも提示できたら面白いですね。

 

—— これから風見荘はどんなゲストハウスを目指していくんでしょうか

それは日々考え続けていますね。僕にも謎です(笑)Barも本格的にやってみたいというのがあって、ヴィーガン料理(動物性の食材を使っていない料理)を提供して、消灯もなくしてやってみたいなと思っています。できるだけ自然のものだけで何とかしたいっていう考えがあって、いつかは井戸を掘ってその水で洗濯やシャワーを賄ったりとか、電気も全部太陽光にシフトしたい。

 

—— 個人的な目標はどうですか

やっぱり音楽ですね。夢は音楽で日本中のゲストハウスをツアーしたい。それで風見荘にお客さんを増やしていきたい。ずっと旅の音楽を追求しています。

 

風見荘
三重県伊勢市吹上1丁目6-36
Tel: 0596-64-8565
WEBサイト

 

ページトップへ