インタビュー紹介

【○元】小林茂貴

飲食店2014年08月21日

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 約11ヶ月をかけてお店の建築から着手し、2008年に○元をオープン。2年後には増築を果たし、2013年からは卸業もスタートさせました。お店をつくった当時の苦労や卸業を始めた経緯、そして小林さんの人柄から見えてくる仕事・人生観をお聞きしました。


 

より100%に近く、自然の素材をつかったお店にしたかった

 

—— 現在、オープンからどれくらいになりますか?

今年で7年目ですね。もうすぐ丸7年です。

 

—— お店をオープンするきっかけというのは?

当時、建築・塗装の仕事をしていて、キッカケは母が癌で亡くなったことでした。本当はうどん屋はやりたくない仕事でした。小さい頃から嗅いでいるダシの匂いとかが苦手で。でも母の死後から憔悴している父を見て、それなら一緒にやるか、と。その後、実は母の借金が見つかり、住んでいた家も失って、というスタートでした。婚約していた奥さんの実家に転がり込むように住みはじめ、そこでお店を始める承諾も得ることができました。奥さんのお腹には子どももいましたが、住宅とお店の改築がそこからはじまりました。約11ヶ月かけて2008年3月15日になんとかお店をオープンさせることができました。

 

—— お店づくりにこだわったところや苦労したところは?

より100%に近く、自然の素材をつかったお店にしたかったですね。山にも何回も行きました。一本の木を挽いてもらって、何度も建材店を通いながら削っては作業の繰り返しでした。家庭をもち、子どもも産まれてくるので、もうやらないとどうしようもないという感じでした。
色んな人にも助けてもらいました。まずは寝床だけ確保して、家具もほとんどなく生活する状況でした。お腹の膨らんだ奥さんにも手伝ってもらいながらの作業でした。不幸自慢ではないんですが、やり遂げた自信にはなりました。

 

—— 2年後には増築を。

その頃にはお客さんも増えてきて、待たせたり、いっぱいで帰って頂いたりということもありましたので。勝負どころだと思い、借入をして思い切って増築しました。

 

—— そこから卸業としての一歩で兵庫県の芦屋にもお店をオープンしました

当時から将来的には視野に入れていました。体も強い方ではないので、発作が起きたり、父の病気があったりで、違った方向性での展開も考えていたところに、兵庫県の人から電話がありました。○元の味噌をつかって商売をさせてほしいということでした。直接会いにきてくれ、聞くと鈴鹿サーキットでレースをしていた人でした。飲食店をしていた人ではなかったのですが、「○元の味で人生をやりなおしたい」という強い想いに心を打たれました。信じてみようという思いで1年半かけて話し合いを繰り返し、芦屋で2014年5月に遂にオープンしました。
その経験で違った形でも自分の味が人に届く方法はあるんだと気づきました。

 

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違った方向性でみんなに満足してもらえる麺を

 

—— 話は変わりますが、普段はどんなお父さんなんですか?

僕は、勝手な人間だと思います。亭主関白ではないので威張ったりとかはないんですが。プライベートでもどうしても仕事のことを考えてしまうので。自分の行きたいところに行く、そこに子どもを連れていくという感じですね。キャンプに連れていったりとしていたら、最初は嫌がっていたんですが子どもたちも最近は自分から行きたいというようになりました。女の子二人なんですが、逞しい子に育ってきました。僕はワガママなので、それに付き合ってくれる家族には感謝してますね。子どもたちには神経の図太い大人になってほしいですね。

 

—— ベランダに石窯をつくりはじめたとお聞きしました。

まだやっと一段目ができあがったところです燃焼室が大きくないから二段に分けてつくっているんです。ベースの板をつくっているところで、型どりをしないといけないので、そこで手間取っているところです。後はドーム型にして、煙突つくって、出来上がりです。

 

—— うどん屋を営み、プライベートではピザがつくりたいんですね(笑)

ピザが大好きで(笑)どうしてもピザがつくりたい。アウトドアというか山が好きですね。木を見に行くようになって。それも店づくりに繋がりましたね。山はなんでもつくれますから、工夫をしながらお金をかけない遊びができるんです。仕事しなくていい状況になったら山に住みたいですね。山に住んで、平屋を建てて、芝生にして、作業場を隣接させて。「ピザ焼くぞ~」って(笑)

 

—— 卸業のために開発したという新しい無塩細麺についてお聞かせください。

卸業を広げていく上で、違った方向性でみんなに満足してもらえる麺をつくろうと思いました。ノウハウさえ提供できれば誰でも扱える麺をつくろうと。味噌煮込みで使用していた無塩の固い麺をアレンジし、細く、なおかつ冷凍にしても美味しい麺をつくれないか。手をかけすぎると鮮度が保てなくなってきますので。塩を使って熟成させた麺も魅力はありますが、維持できる時間が少ない。提供するタイミングで味は大きく変わってしまうので。いかに美味しさを維持できるかという発想ですね。

 

—— ダシについては?

麺もそうですが、特にこだわっているのがダシです。ダシはまだまだ改善の余地があると思っています。卸のお店でもダシは店でひいてもらうようにしています。そうじゃないと○元の味だと謳うことができないと言っています。どうしても送るまでに風味が飛んでしまいます。ダシは覚えて、店でつくってもらっていますので、店を出す人も職人としての誇りを持ってやってくれると思っています。

 

 

○元
三重県鈴鹿市住吉3丁目26-8
TEL:059-358-3452
営業時間:11:00~14:00
定休日:火曜日

 

 

 

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